「何から話そうか?」


中に入ると今日はお茶まで用意されていた。
もちろん毎日来てはいるのだが…
今日はいつもよりゆっくり話が出来るように準備されていた。

まるで、ユイが今日来た理由までを知っているかのようだった。


「“黒い星プロジェクト計画“って…何?」


ユイがいきなり聞くと、ソラの笑顔が変わった。
やっぱりソラは知っている。
ユイはソラの変化を見逃さないように見つめた。


「…やっぱり“あれ”読んだんだね?」

「…最初だけ。」

「…そう…。」


ソラはユイから視線を外し、考えるように下を見つめた。


「ねぇ…碧い星はまだあるの?ソラ、あなたは何者なの?」


ユイは今までの疑問をぶつけた。

ソラは一度ユイを見て、それから天を仰いだ。


「…ごめん。全ては答えられないんだ。ただ………。」

「…………ただ?」

「ただ…もうすぐ全て解るはずだから…。今、2年生だよね?」

「…?うん。それが…?」

「3年生から授業が変わるのは知ってるよね?」

「…うん。」

「…答えはそこにあるから……。言えるのはそれだけ。」


どうして?


と聞く気にはならなかった。
ソラは嘘は付いていない。
言えないのには何か事情もあるのだろう。

ソラの眼が何かユイにそう語りかけていた。