次の日から奏空と結樹にサボる暇はなかった。
舞衣の仕事は二人で手分けしても手が足りず、今までどうやって独りでこなしていたのか、二人は初めて疑問に思う。
けれど、二人で話す暇も、舞衣に問う暇もなく、あっという間に時間は過ぎていった。
*
(……もう限界だ…!!)
余りの忙しさに奏空は初めて仕事をサボり、自分の星の部屋へ直行していた。
奏空は星の部屋で毎日欠かさず星を見ていた。
けれど、舞衣の仕事を引き継ぎ始めてからは睡眠を摂る暇もなくなり、気付けば半年も星の部屋へ行っていなかった。
サボったことが見つかれば、かなり絞られることは解っていても…
これ以上、星を見ないことなんて奏空には出来なかったのだ。
奏空が星の部屋に入ると、そこには居るはずのない先客がいた。
先客は気持ち良さそうに星の海を泳いでいる。
…それはまるで、最初に彼女を見つけた時のようだった。
けれど、彼女はここには入れるはずがない。
星の部屋は音声パスワードが設定してあり、さらに声の登録も必要になる。
もちろん彼女にはパスワードを教えていないし、声の登録もしていない。
理由は解らないけれど…
事実、彼女は星の海を泳いでいた。