―春―



「稀依!!」



あたしを呼ぶ彼の声がする。



「ごめんっ、今行く!」



あたしは慌ててコンタクトを
瞳にフィットさせると、
手を軽く洗いトイレを出た。



「おせーよ、バカ」



そう言って彼は
あたしの頭を軽く叩いた。