「大食いとか思ってるでしょ」



ああ、そういうこと。



「いい食いっぷりとは思ったけど



大食いとかは思ってないよ」



「同じことじゃん」



「同じじゃない」



「同じ」



「違う」



「同じ」



「違う」



・・・・・・・・・



・・・・・・



・・・



「はぁはぁはぁ」



「疲れた」



「だってヒコが」



「ケイが変なこと言うからだろ」



「ヒコがいけないんじゃん」



「ケイだろ」



「ヒコ・・・あ」



ケイが声をあげた先には



ケイのお母さん。



結構、大荷物で大変そうだ。



「ヒコ、また明日ね」



「気をつけろよ」



「すごそこだよ」



そう言って笑って



お母さんの元へ駆け出していった。



俺の幼なじみ兼想い人。



友達以上恋人未満の



無気力少女は



俺にとってトラブルメーカーであり



根は優しい女の子。



もう少しだけ



このもどかしい



近くて遠い距離を



保ててもいいでしょうか?



   





『無気力少女』


[完]



君が泣き虫だった頃の約束



『ずっと一緒にいようね』



それが今も続いているのかは



私には分からない



だって君は……………………



優男



または



チキン少年だから




「ケイ、おはよう」



朝は低血圧の人間にとってきつい。



前まではお母さんに



起こしてもらってたけど



いつの間にか



ヒコに変わってた。



普通は女の子の部屋だから



躊躇うとかあるんだろうけど



17年も幼なじみをやってると



そんなの無くなる。



むしろ高校に入ってからは



行き来が頻繁になった。



テストの関係で。



「はい、制服に着替えて。



もうすぐ出ないと



補習に遅れる」




ほらほらっと言うヒコがなんだか。



「お母さん」



「はぁ?!」



「その言い方、お母さんみたい」



「ああ、そう…………………」



またなんか言い出したと言わんばかりに



哀れんだ目でみないでほしい。



ヒコがお母さんじゃないことぐらい



分かってるから。



でも時々ね。



どっかで入れ違えたんじゃないの?



って思う時があるんだ。



それは…………………




「おはようございます、



おばさん」



「おはよう、雅彦君。



圭、早く食べちゃいなさい。



補習遅れちゃうでしょ」



っと2回も同じ内容を言われる。



お母さんもヒコも



一日に2回も言わなくても



いいじゃないか。



起きない私がいけないんだけどさぁ。



「ご馳走様でした」



「じゃあ、いてきます」



「ひ、ヒコ早い!!!!



いってきます」



「いってらっしゃい。



2人とも気をつけてね」



「「は~~~~~~い」」



こうして私の朝はやってくる。



私とヒコは違うクラス。



だから忘れ物しない限りは



帰りまで関わらない。



確かに一緒のクラスのほうが



便利だけど



学力的に無理。



ヒコは毎日勉強してるみたいだけど



面倒くさいし。



赤点になるほどの頭の悪さでは



ないからそこまで困ってないし。



要するに面倒くさいから



勉強しようとは思わない



って訳です。