「姫嘉」
「…ら?」
名前を呼ぶと、姫嘉はこっちを向いた。
冷蔵庫の光に照らされた姫嘉の顔はほんのり赤く、瞳はトロンと潤っていた。
「あー、司ぁ」
俺に気付くと、にこぉと笑って近付いてきた。
「お前、何で酒なんて飲んでんだよ」
「酒ぇ…?」
何の事?と、首を傾げて、目で尋ねてくる。
……やべ。
「まぁいいや、ほら寝るぞ」
細い腕を掴むと、姫嘉はかあぁと顔を赤らめた。
…何だ、その純情すぎる初々しい反応は。
「どうした?」
優しく問いかけながら顔を覗き込むと、ふいっと目を逸らされる。
…何だよ。
「何、照れてんの?」
「らって…司、格好良いんらもん…」