私は半ば強引に、風呂場に連れて行かれる。


「ほら見てっ!」


「わぁ…これ、すっごく良い匂いのする奴!…結構、高いんだよね」



一度使ってみたかったんだぁ…。


「じゃ、今日の疲れを癒してきてね!」


「うん、ありがとう」



琉馬が手を振りながら脱衣所を出て行く。


…確かに、今日は疲れたかも。



ゆっくり温まろう…。




―――ちゃぷ。


「っ…いったぁ」



小さい切り傷が沁みる。

しかもいっぱい。


そんなに怪我したっけ…。


「はぁ…気持ち良いぃ」



高級洗髪液を使って、気分も髪質も上がったところで。


「~♪~~♪」


鼻歌を歌いながら、黒いスウェットを着る。




大広間に戻ると、みんなが深刻そうに何かを話していた。


「…ん?」