「待て、司。こいつは私が始末する」


そう言って、姫嘉は鞄から取り出した。



「―――え?」


「姫、嘉…ちゃん?」



それは、鋭く尖った物。


「え、何…何でそんなん持ってんのぉ!!?」


それは鋏(はさみ)以上、ナイフ以下。


でもそれ。



「姫嘉ちゃん、カッターでも人は十分、殺せちゃうよ!?」


「大丈夫。殺す気だから」



「ちょ…っ、おい葵、琉馬…助けろ!!」


「あ、うん!」

「おうっ!」


葵と琉馬が姫嘉に飛びつく。


うぉ、刺さんなよ。



「姫嘉!止めてっ!」


「マジで、それはヤバイって!」



「離せ!邪魔すんならお前らも容赦しねぇぞ!!」


おいおい、いつになったら落ち着くんだよ。



「っ…しっかりしろ、姫嘉!!」