「お前、前から姫嘉の事を狙ってたのか?姫嘉の存在を知ってたのか?」


「いや…、あの時の事は下っ端が勝手にやった事だからね。姫嘉ちゃんの事は、全然知らなかったよ」



「じゃあ何で…」


「その時にさ、下っ端君が姫嘉ちゃんの眠ってる写メ、俺に送ってくれたんだよ。それで俺、気に入っちゃったんだよね、姫嘉ちゃんの事」


私の…事を?気に入った??


「顔さえ分かればこっちのもんよ。俺は顔が広いからね。すぐに名前と学校…朔野財閥のお嬢様って事が分かったよ」



す、すごいんですけど。


「それと、もうひとつ。お前らが姫嘉ちゃんの執事をやっているって事も…ね?」


啓太は司から視線を逸らさず、ニヤリと笑いながら言う。




えっと…つまり。


あの日、私を拉致った人達は、啓太が率いる神代組の下っ端さんで。

その時に私の写メを見た啓太が、私を気に入っちゃって。

学校やら個人情報やらを調べられて、知られて。

おまけに私の執事が神代組と対立してる桐瑞組の人って事も知られて。

私を神代組に入れようとしている、と。



何か、すっごい事になってきちゃってるんですけど。


「とにかく、お前の目的は何なんだ」



「もちろん。姫嘉ちゃんが欲しい」



「駄目、ヒメは僕達のお嬢様なの!」