「これは驚いた…、姫嘉ちゃんが桐瑞組に入ってるって話は本当だったのか」


「あ?」



ちょ、それ嘘だから!バレちゃうから!!



「こいつは俺らと何の関係もねぇよ。勘違いしてんじゃねぇ」


ぎゃーっ!!言わないでってばぁ!!


「嘘付くな。俺は聞いたんだ…あいつから」


「何の話をしてるんだ?」



「この前は俺の下っ端が、世話になったらしいな」


…え?


「あの雑魚の事か。あいつら、お前の仲間だったのか」


ちょっと、話が読めないんですけど。



私の様子に葵が気付いたのか、そっと教えてくれた。


「この前さ、姫…男達に拉致られただろ?俺らが組に入ってるってバレた日」


「う、うん」



忘れ去りたい思い出、ですね。

…と、いうか、忘れろって言われた思い出か。



「ほら、その時に喧嘩してた相手、俺らと対立してる組って話、したじゃん?」


えと…私を拉致った人達は、桐瑞組と対立してる組で…。



「その、姫を拉致った男達のリーダーがこいつ、神代 啓太ってわけ」



「…なるほど」


「かなーり面倒臭い事になっちゃったね」