え、この声…。
振り返ると、ドアに無駄に格好良く立っている司。
わぁ…王子様ぁ。
「司ぁっ!」
「俺らもいるよーんっ!!」
窓からひょこっと顔を出す、琉馬。
あれ?
ここ…三階、ですよね?
の、登ってきたのぉ!?
「姫嘉、お前…何やってんだよ」
司が呆れた顔で、私を睨む。
うぅ……ごめんなさい。
「っ、司…だと!?」
「あぁ、俺が桐瑞 司だ。よろしくな」
「お前…桐瑞組の…」
司と啓太が話してる間に、琉馬と葵が私の両手に掛かっている縄を解いてくれた。
「ありがと…」
「大丈夫?何かされた?」
「え…ううん、平気」
キスされた事は言わないでおこう。