いつの間にか、啓太は私の目の前にいて、ニヤ…と笑う。


「ふ…んんっ!!」



フルフルと首を振り、声にならない叫びを上げる。



「ね、泣き止んでよ」


助けて…。


助けて、司!



「んんんっ!!!」


「そんなに嫌がらないでよ。流石にへこむ」



「ふー…ふー…っ」


涙でグチャグチャの顔で、肩で息をしながら啓太を睨む。


嫌がられたくなかったら、私を解放してよ!



「まぁ…、これぐらいは良いかな」


スッ、と啓太の手が私の後ろ首に回ったと思うと、口元に空気が触れた。


「っはぁ…!」



「姫嘉ちゃんの可愛い声、もっと聞きたいな」


「ふざけないでよっ!」



「怒らないで、君はもう俺達の仲間なんだ」




……はぁ!?