「入ろう、皆!」


早く椿を助けなきゃ!



走り出そうとしたら、またもや腕を掴まれた。


「きゃっ……もう、何!?」



「お前は行くな。学校に戻れ」


司が私の腕を掴んだまま、言い放つ。



「はぁ!?嫌だ、椿を助けるの!」


何言っちゃってんのよ、司。



「駄目だ、さっさと戻れ!」


司の声に身体がビクンと跳ねる。



何で…、どうしてよ。


「司の馬鹿ぁっ!!!」



私は猛ダッシュで、廃病院に入っていった。


「っ…おい、姫嘉!」


後ろから私を止める声が聞こえるけど、そんなの気にしない。



何が行くな、よ。


来いって言われたのは私なの!



皆、勝手な事ばっかり言って!



あー、何かムカついてきた!


椿、やっぱり椿が一番だよ!