「え、姫嘉ちゃん…帰るの?まだ4時間目前だけど」
「ごめん、お腹痛いから早退するねっ」
何とか誤魔化しといてね!
ガリ勉君にそう言って、私は急いで学校を飛び出した。
「腹痛いなら走るなよ、姫嘉」
そう呟いて、フッと笑ったガリ勉君を、私は知らない。
「っ、着いた…」
目の前には、大きな廃病院。
もう外見からして、ヤバイじゃないですかぁ…。
窓ガラスはほとんど割れてるし、周りには雑草やら苔(こけ)やら…、すっごく汚いし…。
病院の清々しい印象は、一切感じられない。
「~っ、よし!」
椿、待っててね!
ザッ―――と、足を一歩踏み出した途端、グイと後ろから腕を掴まれた。
「ひゃぁぁあぁぁ!!?」
我ながら立派な奇声。
「しーっ。静かに!」
「りゅ…、琉馬!?」
…と、その仲間達!
あ、神はいません。