「ちょっ、ちょっと待って。……なぜ?」
「いや…あのな」
はっきり言って下さい、お父様。
「パパ、私が言うわ」
「あ、あぁ」
「あのね、姫嘉ちゃん…私とパパ、海外に出張する事になったのよ」
「は…?」
か、海外に…出張??
「パパはこの通り、朔野財閥の社長さんでしょ?」
―――そう。
パピィは大企業、朔野財閥の偉い人。
だからこんな大きい家に住めてる。
まぁ、要するにお金持ちなんだよね、嬉しい事に。
「うん、パピィはその仕事関係で行くんでしょ?でも…マミィは?」
マミィはパピィの仕事には一切口を出さない。
だから同じ仕事で、一緒にどこかに行くって事は、ないハズ。
「私はモデルの仕事なの。海外出張は偶然で」
あぁ、お互い別々の仕事で…。
って!
「わ、私は…どうするの!?」
まだ高校生だし…1人でなんて、住めないよっ!