司は機嫌悪そうに大広間から出て行った。


「何か…、ごめんなさい」



「姫嘉様!謝らないで下さい」


「でも、…怒らせちゃったし」



理由はよく分からないけど、ギクシャクするのは嫌だ。



これから一緒に暮らすんだし、仲良くしたいもん。




「主人が謝るなんて…ダメだよぉ」


琉馬が慌てて、私に言う。



「そ、そうゆうのは…主人とか執事とかっ…関係ないんだよ!」


立場なんて関係ない。



悪い事をしたら謝る。


当然の事でしょ?



…って、悪い事した覚えないんだけどね。


「何で怒ったのかな、司」


「さぁ?あいつ時々、意味分かんないよな」



「私、謝ってくる!」

私は大広間のドアを開ける。



「え、姫嘉様!?」


「気になって寝れないもんっ!」