何か、怖そうだな…そっちの世界。


「まぁ、でも…お前に迷惑掛ける気ねぇから」



「え?」


司はフッと私に近付く。



「っ…!?」


ドキン、と胸が跳ねる。



恋をしてるからじゃない。

ただ単純に、驚いただけ。


「この事は忘れろ、全部」



無理。

…って言ったら嫌な顔されるだろうから。



「…はぃ」


「姫嘉様、今日は私どものせいで怖い思いをさせて…本当に申し訳ありません」



神が深々と頭を下げる。


「ちょっ…、顔上げて?…別に、気にしてないよ」


「しかし…」



「本当だって!…だって、みんなが助けてくれたじゃん?」



フフッと笑うと、神は少し驚いた顔をしたが、すぐに柔らかく微笑んで。


「ありがとうございます」



「可愛いヒメーっっ!」


「っわ!?」