「そう、司は桐瑞組の頭、総長なんだよ」
「あ、僕達は桐瑞組の幹部だよ♪♪」
…総長、幹部……。
あぁ…、何なんだこの人達。
「要するに、俺達全員ヤクザって事」
「…そんな人達が、何故…執事を?」
「それがねぇー、俺ら桐瑞組の一番偉い人、つまり司の親父さんがさぁ」
葵はだるそうな顔をして、椅子に寄り掛かる。
「『お前らはまだ未熟だ、心を成長させてこい』って」
「『ついでに礼儀も身に付けてこい』って」
葵と琉馬が交互に話す。
「それで、親父さんが選んだ仕事が…」
「この…執事だったって、事?」
「そう」
意外と単純なんだね。
「え、じゃあ…今日喧嘩してた相手は?」
私の事を拉致った、ガラの悪い集団。
「あれは、俺らと対立してる組」
「敵、って事?」