「姫嘉、とりあえず家に帰ろう」
「…うん」
家に帰ると、神が美味しい紅茶を入れてくれた。
「あ、ありがとう」
「いえ」
あれ?神、キャラ戻ってる。
「えと、どうやって説明すれば良いのかなぁ?」
分かりやすく、正確にお願いします。
「【桐瑞組】って、知ってるか?」
桐瑞…組。
「あ、うん。何度かニュースにもなってるよね、凶暴で凶悪…有名なヤ―――」
“有名なヤクザ”
そう言おうとしたのに、出て来ない。
ちょっと待って。
司の名字…何だっけ?
とぼけてるフリをしても無駄。
頭の中に、はっきり浮かぶ言葉。
桐瑞 司。
「え、…嘘、でしょ?」