こうして俺らは、朔野 姫嘉の家の執事になった。


今…思えば、ヒトメボレだったのかも知れない。




姫嘉は、可愛くて、すげぇ素直そうな子だった。


俺の全裸見て失神するほど、純粋で初々しくて。



でも、やっぱり所詮は女。


どうせすぐ泣くんだろ。



他の女と同じ。



「あぁ~可愛い、姫」


「今までで一番可愛いよねぇー♪」



初日の夜中、姫嘉が寝た後に俺らは机を囲んで評論(?)会。


「神はどう思うー??」


「私、ですか?可憐で…美しい女性だと思いますよ」

「おぉ、高評価!」


「司は?」

「どうでも良い」



「もぉー、釣れないなぁ」


「司の事だから、またすぐ泣かすだろ」

「るせぇ」




―――俺はまだ、気付いていなかった。



自分の中にこんな感情があるって事も。

こんなに自分をさらけ出せるって事も。

誰かを守る、その辛さも喜びも。