「彼氏と…何かあったの?」


椿がこうなるのは、彼氏との事しかない。




「…ケンカ、した」


「ケンカ?」




「私に、馬鹿って言ったぁ」


椿は半泣きで、私に抱き付いてきた。


ブッ。

思わず吹く、私。

いや、ごめんなさい。



椿は、いわゆるツンデレタイプ。

いつもは毒舌を撒き散らしてるくせに、彼氏に何か言われると、すぐにテンションが上がったり、下がったりする。



可愛いけど、ちょっと厄介。



「そんなの気にする事ないよ」


「だって…だってぇ」



「大丈夫だって、元気出して」




何とか椿をなだめる。



「…ありがとう、姫嘉」


そう言って笑う椿は、アイドル顔まけ。



黙ってれば絶対可愛いのにっ!!