眉間のしわを更に深めた司が、私の手首を強く握る。



そのまま大広間を出ようとする司。


「ちょっ…司!」



「はいはい、そこまで」

扉の前で、神が私の肩を抱く。



「邪魔すんなよ、神」


「…姫嘉様を放しなさい」



「神の言うとおりだよぉ、ヒメは疲れてるんだよー」


「嫉妬深いっつーのも厄介だなぁ…」



葵はぶつぶつと呟きながら、私に近付く。


「ほらみろ司、すっげぇ困ってんじゃねぇか」


私の頭を撫でながら、なぁ?と振ってくる。



「え…、えと…」


いきなり話を振られ、何て答えていいか分からない。


おろおろしていると、葵がフッと笑った。



「お前、可愛いなぁ…ほんと」


「っ!!?」



「とにかく今日はゆっくり休め。…な?」


「っていうか、みんな離れて!!」


琉馬が、私の手首を掴んでいる司と、

私の肩を抱いている神と、

私の頭を撫でている葵を私から引き離した。



…助かりました。