「姫嘉ちゃん…どうしたの?」
「…へっ?」
授業中、ぼぉっとしてると、隣のガリ勉君―――恵介君が話しかけてきた。
そういえば、この人…司達と同じ執事さんで…。
この前、助けてくれたんだっけ。
「何か、考え事?」
「あ…ちょっと」
急によそよそしくなる。
「…あ、なるほど」
「え!?」
恵介君は閃いたような顔をして、怪しく笑った。
「司の事でしょ?」
―――ギクッ
「な…何が?違うけど?」
慌てて否定しても無駄。
完全に目ぇ泳いじゃってるし。
「司、強引だからね。…大丈夫?」
「え…えと、うん」
ろくに返事も出来ない私。
「キスでもされた?」
