こうして彼との仕事が始まった




配達するのはすごくしんどくてサウナにはいってるかのように汗がでてきた





でも中尾さんはかっこよくて優しくて




一緒に仕事ができるのがすごく嬉しかった






彼も他のドライバーさんも女の子が私一人ということもあってみんなとてもかわいがってくれた





見た目は20代中頃から後半な感じだが年を聞くと33才…





私と一回り以上も違う





でもそんなことを全く感じさせない素敵な人でますますいい印象だった




「名前なんていうの?」




呆然とする私に中尾さんは言った





「下の名前は?」



「紗知です」




「じゃぁさっちんやな」





こうして二人の時は彼は私のことを‘さっちん’



と呼ぶようになった





初めて仕事をしたこの日




大雨が降っていたよね




でもなぜか


バイトが終わるとやんだんだ




これから起こる波乱を




予測していたかのように