ブーブーブー



真っ暗な部屋の中で携帯が光っている




寝起きで何がなんだかわからずとにかく携帯をとった




「俺やけどさっき泣いてたん大丈夫?」



中尾さんからだった



正直



今話しても、奥さんのことが頭の中でぐるぐる渦巻いていて



話したくなかった





「さっき何で泣いててん?」




「中尾さんに会えないから寂しくて…」




私がそう言うとしばらく中尾さんは黙っていた





そして




何かを決意したかのようにして聞いた




「俺に何か隠してることか言いたいことある…?」





はぁ−



私があなたのことがわかるように



あなたも私のことがわかるのね




私の目からはまた涙が溢れてきた




言わなくちゃ…