いくら泣いても涙は枯れずにあふれてきた



中尾さん





中尾さん−




私の大好きな中尾さん−






電話に出るために降りた電車のホームには次々と電車が通っていく




過ぎ去る時の流れに


私だけが取り残されたみたいで



座ったベンチから見える空はさっきまで爽やかな青空だったのに、真っ赤に染まり始めていた




いつもはきれいだと思う景色が



その時はそう思えずに


真っ赤な空でさえ



色のない世界に思えたんだ