何日かたったある日



学校から家に帰っていると電話がかかってきた



着信:田岡さん



いつもなら無視するし、この時も出なくてもよかったんだけど、なぜか出なければいけない




そんな気がしたんだ



もし出なかったら



どうなっていたんだろう





「もしもし」



「あっ俺やけど中尾さんの重要なことつかんだで」




重要なこと?



バツイチとか?
入れ墨してるとか?
元ヤクザとか?



重要なことって??



「重要なことって何なんですか?」



「いやぁ俺の口からは言えへんわ」



いくら聞いてもこう答える





そして何分たっただろうか



「何もないなら切りますよ」



長い長い沈黙の後、田岡さんが口を開いた





「中尾さん…結婚してるで」





はっ…?





中尾さん…に奥さん…?



最初に聞いた時
いないって−




田岡さん何言ってるの…?




でも



公衆電話からの電話



休みの日は連絡がない





まさか…



何だか


すべてが

繋がった気がした




私は


人目を気にせず

ただ呆然と


その場に泣きくずれた