俺…33でバツイチやし…



ここ…眉毛のところ傷あるのわかる?昔ヤンチャしてたんや



少年院にお世話になったし今は更正したけど悪いことばかりしてきた



いつになく真剣になって話す中尾さん−



昔は悪かったと聞いても‘ひく’というよりは好きな人の知らない部分を知っていくことができて嬉しかったし自分に正直に話をしてくれる誠意さを感じた





もう一個最後に言わなあかんことがある




そう言うと中尾さんは車の中で脱ぎ始めた




さちには俺の全てを知って欲しい




そう言って彼は




私に



背中を見せた



私は絶句した



そこには大きな龍の入れ墨



昔ヤクザやったんや…ごめんな驚いたしひいてしまったよな



そう言った中尾さんの声や態度はどこか悲しそうな感じだった