その日の授業なんて頭に入らなかった。 まじめじゃない奴でさえちゃんと授業を受ける数学でもうわの空。 優莉が心配でたまらなかった。 なんとか部活も出て家に帰る。 母:おかえり。 いつもは『ただいま。』って言うけどそんな余裕なんてない。 自分の部屋に入ってすぐに交換ノートを開く。 そして、目立つようにはっきりと黒いペンで 『後藤先輩なんかとは縁を切りなよ』 と書いた。 これでいい。 これでいいんだ。