「うわあああヤヨ～!!」

「い、如何されま……」

「大変なんだよおおお!!
へるぷ、へるぷみ～!!」

「あ、あの、大変なのは
重々承知しましたから、
まずは何があったのか教
えて頂けませんか？」

「――――チョコ、を」

「チョコ……ですか？」

「うん……ほらあたし、
インストラクターになっ
てからまだ一年でしょ？
それで先輩から、新入り
は手作りチョコくらい振
る舞うのが当然だよなっ
て言われて～どどどどう
しよおおお!!あたし料理
なんか出来ないよぉ!!」

「ですから少し落ち着い
てください。私で宜しけ
れば、いくらでもお手伝
いさせて頂きますので」

「ほ……ホントに!?わあ
ああんありがとぉ～!!」




「沸騰直前まで生クリー
ムを温める？だったら強
火で一気にやった方が早
く出来そうだよね☆」

「強火でなくても、中火
で事足りますから～!!」


「ゴムベラでもったりす
るまで混ぜる？よく分か
んないけど、とりあえず
混ぜれば良いんだね☆」

「そ、そんなにガシガシ
混ぜなくても大丈夫です
から!!むしろ、空気が入
って大変なことに……」


「なになに？今度はチョ
コを湯せんで溶かすの？
せーの、ほいっとな☆」

「わあああ、チョコを直
接沸騰したお湯の中に入
れないでください～!!」




「ふ～出来た出来た☆」

「そ……そうです、ね。
一時はどうなることかと
思いましたが、何とか形
になって良かったです」

「じゃあラッピングでも
やっちゃおうかな～☆」

「あ、その前に味見をし
ませんか？せっかくチョ
コも余っていますし」

「それもそうだね～では
では早速頂きますか☆」

「はっ、はい……ん？」

「どうしたの～ヤヨ？」

「あの……ヒカルさん？
一つだけ、お伺いしても
宜しいでしょうか？」

「良いよ～なぁに？」

「――何故、このトリュ
フチョコからカレーの味
がするのでしょうか？」

「え～？だって普通じゃ
つまんないから、色でも
付けようかな～って☆」

「…………この件に関し
ては私が先生方にきちん
とお話し致しますので、
後のことは全てお任せ頂
けないでしょうか？」

「ん～そう？わざわざ助
けて貰った上に、そんな
ことまでして貰っちゃっ
て何だか悪いねぇ～☆」

「いえ……お構いなく」


　　　【The END】