「なあなあ~弥嘉ぃ?」

「はい、何でしょう?」

「さっきから特番ばっか
でつまんねぇんだけど」

「……私にどうしろと」

「何かよ~俺的にはとに
かく暇が潰せて~こたつ
に入ったままでも出来る
やつが良いんだけどぉ」

「ものの見事にだれきっ
てらっしゃいますね……
それでは、些かベタな嫌
いは拭えませんがしりと
りでも如何でしょう?」

「まあ、特にやることも
ねぇしな。しゃあねぇ、
一丁やってやるかぁ!!」

「あら、壱加が文句の一
つも仰らないとは随分と
珍しい。明日は雨でも降
るのでしょうかね?」

「……ネチネチうるせぇ
奴だな!!たまにはそんな
時だってあんだよ!!」

「よしんばそうであった
として、その素直さが一
体いつまで持つのやら。
出来れば、これから先も
続いてくださると非常に
有り難いのですがね」

「ねっ、寝言は寝て言え
寝言は!!俺はいつだって
素直だろうが!!ああ!?」

「明らかに違う、と先程
から申し上げております
のに……そのお年で自覚
症状がないのは少々考え
ものですよ?僭越ながら
この私が、守護者の名に
かけて評判の良い病院を
お探し致しますからね」

「ね!?また“ね”かよ!?
テメェ、さっきからそれ
ばっかじゃねぇか!!やり
口が汚すぎるんだよ!!」

「弱い犬ほどよく吠える
……とは正にこのことで
しょうか。そんなに悔し
ければ壱加も何かなさっ
たら如何です?最も何か
出来ればの話ですがね」




「――――だああああ!!
もう止めだ止めだ!!やっ
てられっかこんなの!!」

「全く……私が提案した
とはいえ、あまりに辛抱
がなさすぎるのでは?」

「あんな立て続けにねね
ねね言われたら誰だって
嫌になるわ!!ちったあ手
加減しろよテメェは!!」

「もし仮に手加減したと
しても壱加のことです、
“いくらこっちが年下だ
からって馬鹿にすんなよ
テメェ!!真剣にやりやが
れってんだ!!”と仰るの
が関の山でしょう?それ
なら、最初から全力でお
相手した方がよっぽど気
が楽ではありませんか」

「お前……その顔で意外
と面倒臭がりなのな」

「やはり、壱加が素直で
あり続けるのは当分先の
ことになりそうですね」

「――そのネタ、いつま
で引き摺るつもりだよ」


   【The END】