ザァーザァー

激しい雨の音が耳に入る。

私は学校が終わって家に向かっていた。

私の名前は美月 郁。

小6で両親を亡くし、中3にして独り暮らし…

誰もいない家に帰る毎日…

「はぁ…」

なんて溜め息をついたときだった。

私の前にビショビショに濡れて、道路のすみに倒れ込んでいる男の人が見えた。

私はすぐに近くに駆け寄る。

そして声をかけた。

「大丈夫ですか⁉」