「もしもし.田辺です。今学校向かう途中ちょっとぶつけられちゃって。
怪我はないんですけど
車がひどいんで...
はい...スミマセン。また連絡しますんで。」




職場の小学校まで
あと数メートルと
いった所でこれだ


しかも相手は女.
怒鳴ろうにも
そうもいかない
警察もヤケに遅いな




「あの..学生さんなんですか?」


空気が読めない女
なのか
空気を読み取り
少しでも和めようと
しているのか...



「ああ。電話、聞いてたんですか。いや、教師ですよ。小学校の」


そう言ってすぐそこに
見えている校舎を
指差した



「先生なんですか!あっあの!あたし教師になるのが夢なんです!今採用試験真っ最中って感じで...」




急に声を張り上げる
姿に少し驚いたが
教師を目指している
というのは身なりからも納得できた



「そっか..まあ悪くないね、教師も」



「・・・・・でも教師だったなんて驚きました。なんだかあなたが教師ってピンとこない気がして..」



そうか。こいつ天然
なんだな
きっと今の言葉に
悪気はないんだろう
普通だったら初対面でそれはないだろう



「誰かも・・・そんな事言ってたな・・」


そうだ。
そう言ったのは
誰だったろう・・・