「海捺っ」


走り寄って体を揺らしても


海捺は目を覚まさない




ただひたすら
呼吸を繰り返すだけ



何分かすると
救助の人が担架を持って

海捺を乗せ



私のほうへ振り返り




「付き添いの方は1人きてください」



そう言って私は
救急車に乗り込んだ