新人さんはばつ悪そうに正志を見ている。

正志は「キモい」を連発。

「君、」

新人さんが正志に声をかけた。(シカトしりゃいーのに)

「君、中学生だろ?こんな夜中にゲーセン来ちゃっていいの?」

18歳ぐらいだろうか。でも背が高く、髪を金髪に染めている。いかにも短気っぽい雰囲気を持つ新人さんだ。

「は?」

正志、にやけながら応答。

「おい、なめてんのかよ!?あぁ!?」

新人さん、キレる。

「お、いいね~!やっちまえよ!正志!!」

夜遅いからだろうか。健のテンションが妙に高い。

「キモいんだけど」

冷静な正志に対し新人さんはかなりキている。

正志の胸ぐらを掴んだ。

健のテンションはMAX!!
調子に乗った健はホッケー台の上にあがり「ウィィィ~~!!ヒェィァ!!」とか意味不明な雄叫びをあげる。

その雄叫びに便乗されたのか、2人の殴りあいが始まる。


まさに、修羅場。

すぐに野次馬が集まってきた。

その場を察してか、頭の回転が早い政美は「やべっ逃げるよ!!」
と叫んだ。

予想的中。店長らしき人物がすぐに駆け付けてきた。

正志はそんなのおかまい無しにケンカを続ける。

「おい、なにやってんだよ。正志!逃げるぞ!」

政美が正志の腕を掴む。

政美に引きずられながら「もうこんなとここねぇよ!ばーぁか!」とかなんとか、なんともカッコ悪い捨て台詞を正志が言いながら私たちはゲーセンをあとにした。