「え、あ、ごめん。
希ちゃんが見えたから、昨日の
約束守ってくれたかと思って、うれしくなってつい…」


振り返ると、三ノ宮くんが
悲しそうな目でこちらを見て
いた。


「なんだ。三ノ宮くんか。
大丈夫よ。こっちこそ、
突き飛ばしてごめんね。」


本当はこんな冗談やめて
ほしいのにもかかわらず
彼の捨てられた子犬のような
目にやられてしまったのか
何故かこちら側が謝って
しまった。

「ううん。今回は俺が悪い
から。それより、顔色悪い
けど大丈夫?」

そんなに、私の顔色が悪かった
のか彼の観察力がいいのかは
わからないけれども、彼は
私の顔見るとすぐに不安そうに
眉を下げた。