その行動によって、私は我に返った。

な、何考えてるのよ、私!
三ノ宮くんは生徒だし、圭祐と
比較する対象じゃないじゃない。

さっきまで、三ノ宮くんと一緒に
いたせいか、何故か彼のことを
思い出してしまった。

「ちょっと!やめて。
私たちもう別れたでしょ?」

私は、圭祐から離れようと、圭祐の
胸に手をあて力を入れた。

しかし、圭祐は抱きしめる力を
弱めるどころか、逆に強くして
私の手首を掴んだ。

「俺は、別れたつもりはない!」

そう、叫んだ圭祐は私の手首を
掴む力を強めた。