「目を覚ましたみたいならあたしたち用済みだから、帰りましょうよっ、はやく」
おじさんに寄り添っている、おばさんが口を開いた。
「待ってください、いま医者呼んでいるので」
女の子が鋭い目付きでおばさんに言う。
「あなたは誰なの?」
女の子に声をかけてみる。
女の子は少し寂しそうな表情を浮かべて、こちらを向いた。
「あたしは幸だよ。」
「幸…?」
「そう、あなたの友達」
「と…もだち…」
オウム返しにずっと幸の言うことを繰り返していた。
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