「俺、帰るわ」
そういうと床に散らばった服を拾い、身につけ始めた。私はその行動をぼんやり見つめる。
帰る支度のできた彼方はこちらを向いて、いやらしい笑みを浮かべた。
「なぁ、さっきの質問に答えてやろうか」
……
「俺がおまえとヤるのは、SEXの相性がいいからだ」
玄関のドアがパタンと閉まった。
知っている。とっくのとうに知っているよ。
私もあんたを好きぢゃない
むしろ嫌いなんだ
ポッカリ空いたものを埋めるためなんだ
シーンとしている部屋を眺める。さっきまで二つの吐息がここで荒々しく吐かれていた。生々しい匂いが、体温が重なり合わさっていた。
私は自分を嘲笑って、まだ余韻の残る身体を抱き締めながら眠った。