あの時の違和感はいったいなんだったんだろう………

帰り道、ふとあの時の違和感が蘇る。


普段、病院のお世話になっていない鎗はなにがおかしくてなにが正しいのかわからないのだが………


あんまり考え込む性格ではないがこの時ばかりはこれでもかというくらい考え込んだ。








結局なんの答えも見出だせないまま家の玄関前まで来ていた。

鎗の家は一軒家で、買ったばかりと言うわけではないのだが、案外綺麗に見えるのは多分、母の綺麗好きのせいだろう。

外見は白の壁に窓がちょいちょい付いているという、スタンダードな外見である。



鎗は家の鍵を開け、ドアを引いた。

一瞬、鎗の口が開きかけたが、その気持ちは悲しみとともに押し潰された。