「玲も星野君が好きだって言ってくれればよかったのに…」


あたしは呟くような声で
自分が思ったことを口にした。


するとてるちゃんが震える声で言った。


「そんなこと、付き合ってる彼女に言える訳ないよ……」


てるちゃんは丸々な目をして真っ直ぐにあたしを見てた。


あたしの心臓がどきっと跳ね上がった。


その言葉の意味がわからなかったあたしも真っ直ぐにてるちゃんの方を見た。


「なん……で…?」


「だって、好きな人の彼女だよ?
あたしも好きだって言えない…。
友達でも、あたしだったらずっと秘密にするよ」


てるちゃんの表情がどんどん
悲しげになってく。

今にも泣いてしまいそう。


「美夜も玲が星野君を好きって知ったら
付き合わなかったの?好きにならなかったの?」


てるちゃんの心があたしの心に響いてくる。

ずきずきと……

息が出来ないぐらい苦しく響く。



確かにてるちゃんの言うとおりだ。


言ってくれたら
付き合わない、好きにならない。




そんなこと……

できるわけないじゃん。


だって好きなんだもん。

誰にも渡したくない。


例え、親友の玲でも…………