「無理に言わなくていいんだよ?」


にっこり微笑んで、でもちょっと寂しそうな表情を浮かべながらそう言って先に歩いていくてるちゃん。



言いたくないこと……。


でも…てるちゃんには
言わなくちゃいけない気がする。



「あ………あの…てるちゃん!」



思わず大きな声でてるちゃんを呼んでしまった。


廊下にいたほとんどの人があたしの方を見る。


てるちゃんもびっくりした表情で
あたしを見ている。


は……恥ずかしぃ


自分の顔がどんどん熱くなっていく。


「なぁに♪教えてくれるの?」


下を向いて照れていたら
気付いたときにはてるちゃんが
あたしの目の前にいた。



「え……あ…うん」


あたしはてるちゃんに聞こえるか聞こえないかの声を出す。


「じゃあ、屋上に行こっ」



あたしの腕をグイグイ引っ張って屋上に連れていかれた。