あれ?


聖斗には何も言われなかったのに……



可愛らしく頬を膨らますてるちゃんを見る。



てるちゃんには………

分かっちゃうの?



「なんで分かるの?」


自分の心の中に浮かんだ疑問をてるちゃん言った。


そんなあたしの言葉を聞いて
てるちゃんの大きい目がもっと大きく見開いた。


「あぁ!やっぱり嘘ついてたんだぁ」



さっきよりも頬を膨らますてるちゃん。

そしてあたしに背中を向けてそっぽを向いている。

あぁ……怒らせちゃった。


「ごめんね……。嘘なんか言って……」


あたしは怒ったてるちゃんの腕を掴み
軽く引っ張りながら慌てて謝る。


あたしがすぐ謝ったのがよかったのか
てるちゃんは怒って大福みたいに膨らんだ頬を引っ込めてニコッと微笑んでくれる。


「いいよ。言いにくいことなんでしょ?」


にっこり笑ってぽかんとしているあたしの頭を優しく撫でてくれて
なおかつ、優しい言葉を言ってくれたてるちゃん。