「な…な…な……」 『何言ってんだよっ!』と言いたいのに声が出ない。 木原杏理はニコニコしている。 一登は「きったね〜…」と言いながら俺にタオルを投げつけた。 「…な…何で…っ…」 「私の後輩、振ったよね?」 後輩…? ………あぁ! 「今日の朝!」 「そうそう♪」 「でも…何で…」 木原杏理はまたにっこり微笑んだかと思うと、こう言った。 「だって…『全部?』って♪」