「一週間ぶりだな」
「はい
本当に来ていただけるだなんて…」
思ってもなかった
だって仲良くもなってないし
ケータイ番号だって知らない
名前すら知らない
ただ少し…ほんの少し話しただけなのに
「俺行くって言ったろ?」
真剣な目で 優しく言うお兄さんに
私は 胸がキュンとした
何も言わず頷く私にあなたは
大きな温かい手で頭をポンポンと乗せた
「スーツ似合うね」
あ…… 言っちゃった
突然出た正直な気持ち
スーツは灰色で
Yシャツは白く縦のキラキラした薄い銀色の線が入っていて第二ボタンまで空いていた
ガッシリした胸板が目につく
「あぁ
普段着ないんだけど今日友達の結婚式でさ
スーツ着ることになったんだよ」
似合いすぎて見れない
眩しすぎて…