「ベッピンさんはドーンと構えとったらええねん、彼女なんやから! その女の子がなんぼ可愛いかっても、篤紀さんの彼女はひとりだけなんやし!」

豪快な説得。言ってることは直子と同じだろう。

彼女は「もう1個、食べよかな」とつぶやき、財布を持って席を立つ。

仕方なく、あたしはあははと笑って、話を終わらせようとした。

「ごめんね、愚痴っちゃって」

嫌がらせをされたとか、詳しいことまでは話していない。

ただ「篤紀が他の女の子と仲がいい」と言っただけ。

だって、この子たちはあたしの素顔なんて知らないし、年下だもの。

直子に話すようなことまで言ったりしたら、醜いと思われちゃう。

だから、この子たちに理解してもらおうとも思わない。

できるわけないしね。

そう考えて、違う話題を出そうとしたら……。