私は慌てて駆け寄ると、奏祐くんの体を起こした。


ほのかに隙間から入る月の光が彼を照らし出す。

目の横や頬に痛々しく滲む血。


「麻里也……チャン? 」


薄く瞼を開けて、お腹の辺りを押さえてる。

こんなになるまで喧嘩するなんて。


「ちょっと、油断した…… 」


そう「ははっ」と苦笑すると、膝間付いてる私に体を倒した。


………///

どうしたらいいのか分からず、とりあえず背中に手を回す。


「なんか、元気出そう…… 」


何言って……///

ふと視線の先に、5、6人の男たちが倒れているのが見えた。

もしかして、これ全部……


チラッと彼を見ると、瞳を閉じてぐったりしていた。


やだ、どうしよう……




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