ギィ
「お疲れさまでーす。足元にお気をつけ下さーい」

扉が開いた。


見上げると、雲で被い尽くされていて、星を見ることができない。

まるで、希望の光を失ったかの様に...


こんな暗い中でも、猫の瞳には 世界はハッキリ移っているのだろう。

___...まるで、俺の心の中まで見透かされてる気分だ。

物思いに耽っていると、何かが降れたのを感じた。

「...ルナン?どーした?」
細く、しなやかな腕は ゆっくりと背中に回され 抱き締められた。