黒く ぴんっ
となっている獣の耳を微かに震えさせ言った。


「...どうして、あたしが分からないの?」
それは哀しい悲しい声音で。

言葉の意味が、理解できない。
すぅ っと顔を近付け一言。

「約束、したのに。ソラにとって約束は何の力もないの?」


「だから俺は、」
そこまで言いかけた所で、言葉は その柔かな唇で遮断されてしまう。

目を開くと



かなしそうな、何か諦めたような そんな顔をした黒猫が佇んでいた。