結構疲れもないし、元気だし、気分も爽快だし、そうそう、あそこのレンタカー屋にやっぱり電話して予約しよう、朝もなるべく早く行こう、そう私は考えて連絡船で朝八時半に石垣島に着く予定にした。

それでレンタカー屋さんに電話をかけた。
男の人が電話に出た。

「ありがとうございます、ラッキーモータースです。」

「あ、あの、明日レンタカーをお願いしたいんですが。」

「時間とお車の種類を言っていただければお値段をお答えします。」

九時から十五時までの六時間、一番小さい車、すなわち軽四。
すると、とても良心的な安い値段を電話の向こうで男の人が言った。

それはいいや、と思って、予約をした。

「明日、桟橋に着いたら電話して下さい。
お店はすぐ近くですので、電話を頂ければ五分程度でお迎えに上がります。」
と電話の向こうで男の人が言った。

私は翌朝、ちゃんと早く起きて、張り切ってホテルから港へ向かうバスに乗った。

路線バスに客は私一人だ。

一番前の席に座る。
運転手さんが
「一人旅なの?」
と話しかけてきた。

バスなのに、このばかでかい車の中に運転手さんと私と二人だけで、まるでタクシー状態だ。

運転手さんは家は民宿をしているのだと話す。

「いろんな所からお客さんが来てくれて、仲良くなったお客さんには会いに、自分も年に一回は旅行に行くよ。
九州とか毎年行ってるよ。」

そんな話をしながら船着場に向かう。

今までの私の認識では、バスには必ず
「走行中は運転手に話しかけないで下さい」
なんて看板がかかっているものと思っていたのに、ここでは気楽なものだ。

バスを降りる時には運転手さんから民宿の名刺をもらった。

「今度この島に来る時にはうちに泊まってよ。
安いしね。」
と、運転手さんはにこにこしながら言った。

なんともアットホームというか、フレンドリーというか、営業根性というか。