先生はコップを洗い終わって

部屋に戻ってくる。

もちろん

私が手紙を隠したなんて

先生は知らない。

「吉田ぁ~。今日、家帰るの?」

「え?うん。」

「・・・泊まってけばいいのに。」


泊まってけばいいのに?

そう聞こえた気がしたけど

きっと空耳。

私ったら、なんて恥ずかしい空耳を。

「先生。先生って1日何人ぐらいに告白られてんの?」

「俺?んー。5人ぐらいかな。でも、生徒の事そういう風に見れないからっていって断ってるんだ。」

やっぱり、そうだよね。

生徒の事そういう風に思えないよね。

分かってたよ。

分かってたけど・・・

胸が苦しくなる。